人材雇用と電子署名
合同会社の人材の雇用について
合同会社は出資者全員が代表権を持つと言う特徴があります。
この代表権と言うのは、経営に携わる権利と言う物を持つと言う事で、一般的な株式会社の代表取締役と同じで、他の会社との取引を行う場合は、それぞれの名前や印鑑を持つ事で代表権としての契約を行う事が可能になると言うメリットもあります。
因みに、合同会社は全員が代表権を持つと言う事で、社員の呼び方にも通常とは異なるものがあります。
株式会社などの従業員の事は社員と言う呼び方をしますが、合同会社の場合は全員が代表権を持っている事からも、社員と言う呼び名で呼ばれるのではなく、代表社員と言う呼び方で呼ばれると言う特徴があるのです。
また、株式会社などの場合は、代表取締役社長や専務、常務取った役員の肩書があり、これらの肩書は名刺に記載されていく形になりますが、合同会社の場合の肩書と言う物はすべてが代表社員になると言う特徴もあるのです。
通常の株式会社では、会社を大きくするため事業拡大を図り、人材を雇用していく形になります。
人材を決めるのは、その会社に勤める人々であり、面接などを行い決定されることになります。
合同会社については、株式会社のように簡単に人材を雇用する事は出来ません。
この会社スタイルは、全員が出資者であることや、代表権を持つ事からも会社を作る際に定めている定款の中で規定を作る必要があるのです。
因みに、定款と言うのは、会社の憲法とも呼ばれているもので、株式会社設立を行う場合は、それを公証人役場で認証を得る必要がありますが、合同会社の場合は、公証人役場での認証は不要になります。
定款の中で新しく雇用する人を登録しておくことで、人材を確保する事は可能になるわけです。
そのため、雇用については、株式会社とは少々ニュアンス的に異なる部分があるわけです。
株式会社の定款とは異なり、合同会社の定款は自由性が高いのが特徴です。
例えば、出資者が経営に口を出すと言う人も居れば、出資は行うけれども会社の経営については口を出さないと言う人が居た場合は、これらの規定となる、業務執行社員を限定する条文と言うものを定款の中で定めることで、2つの種類の代表社員と言うものを作れると言う特徴があります。
これは業務執行社員などと呼ばれているもので、業務執行権のある社員と無い社員の二つに分ける事が出来るのです。
これについては、株式会社にはない部分であり、合同会社の特徴とも言える部分と言えます。
✔合同会社で行う電子署名とは
合同会社は株式会社と違って、印紙を貼った定款を役場などに提出する必要はありません。株式会社の場合は定款を作成しただけでは効力が生じないので公証役場というところで、定款が法律で決められた通りの内容になっているかを認証してもらう必要があります。しかし合同会社の場合は自分で定款を作成しただけで効力が生じます。
印紙を貼らずに会社の設立は可能になりますが、その場合だと脱税になってしまう恐れがあるため、印紙を貼った定款を提出する必要があります。印紙を貼らずに定款を作成するなら電子定款を作成することになります。この場合、印紙かかる4万円ほどの費用が必要になりません。
オンラインによる申請を行う場合は電子署名を行う必要があります。定款の作成は合同会社設立の際に株主である発起人が行いますが、発起人が複数いる場合は全員で電子署名を行ったり委任で作成することも可能なります。作成の代行は行政書士に依頼することも可能です。この場合は印紙を貼る定款を作成するための費用におさまる範囲の費用で代行を行ってくれます。
電子署名はインターネットのサイトで作成用の書類のデーターをダウンロード出来ます。データの形式はPDF形式のものがおもで、作成するためにはAdobe Acrobatというソフトを使う必要があります。このソフトはPDFファイルを作成するためのソフトですが、PDFを作成出来るソフトであれば他にも無料で利用できるソフトもありますが、法務省の規定により定款を電子で作成する場合はAdobe Acrobatで作成したもののみ利用できるとあるため、有料になりますがAdobe Acrobatを購入する必要があります。
作成書類を提供しているサイトはいくつかありますが、合同会社でも一般の個人が作成を行う場合、地方公共団体が提供している公的個人認証サービスの書類をダウンロードして作成するのが良いです。この書類でお住まいの自治体で手続きが可能で書類を取得できる費用も500円から可能です。この場合別で適合性検証済のICカードリーダーライターを購入する必要があります。対応機種は各自治体によって違ってきますが、予算としては1万円もかからずに書類作成が出来ます。
実際にソフトを購入し、電子署名用のソフトの購入や電子証明書の発行を行うと費用もかなりかかります。そこで電子認証の部は行政書士に依頼すると、こちら側で用意するソフトもいらなくなり、必要になる費用は書類を作成する行政書士に対しての報酬のみとなります。